更新 :2005/04/07 11:48
かねやん企画
本棚の片隅
まんが談義

回 祝(?)!! TVアニメ化

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アニメはお好き?
皆さんはTVアニメはお好きですか?私はかつて大好き人間でした。
今でも、見ることはまま有りますが、昔に比べると見る量は激減しています。
まあ、歳をくって、現行の作品世界には付いていけなくなったのが大きな原因ですが、昔ほど楽しいTVアニメが無い様にも感じています。私が物心ついた時からTVアニメは存在しますし、その中の一部は「まんが」を原作とした物でした。しかし、「まんが」自体も好きだった私にとって、「まんが」原作をアニメ化することには悩みも存在します。
と、言う事で、今回は「まんが」と「アニメ」の関係について考えてみたいと思います。
TVアニメの歴史って言ってもやっぱりあの方の功績が・・・
私が知る限り(多分間違いはないと思いますが資料も調べず記憶に頼って書いてるので)日本のアニメの始まりは1963年より放送が開始された「鉄腕アトム」のはずです。
当時私は世の中に存在さえしておりません。(^^)
当然本放送を見たことは有りませんし、私の記憶にある「アトム」といえば、リメイク版の「ジェッターマルス」ですので、正確には、「アトム」作品を見たことは無い事になります。まあ、これは、生まれて無かったので仕方がありせん。
で、いきなり話が脱線気味ですが、何を言いたいかと申しますと、TVアニメの開始はのっけから「まんが」原作を用いたアニメ化だったわけです。
これは、原作者であった故・手塚治虫氏がディズニーアニメに憧れ、自分のキャラクターを動かして見たいというただ一点のみの欲求から実現したプロジェクトだとうかがっております。TV局側も初めて行うTVアニメ放送を成功させるためにはある程度人気を博していた「まんが」を原作とした方が確実に成功すると踏んだのでしょう。
そう、この手法こそが、現在に至る「まんが」原作→TVアニメ化の方程式なのです。
初めての挑戦を行った手塚さんの功績は偉大な物だったのですが、ただ、彼が自分の夢を実現する事に重きをおいた事が、後年、TVアニメの製作に携わる方々の大きな足枷になってしまう事になるのですが、これについてはは多くの方々がご存知の事だとは思います。
で・・・TVアニメ化賛否両論!?
多くの方々がそうだと思いますが、「TVアニメ」と「まんが」ではTVアニメを先に見るようになる事の方が多いのではないでしょうか?少なくとも私の場合はそうでした。
これは、媒体の形式上仕方が無い事だと思われます。現代のTVのあふれた世の中に限らず、十数年以上前からTVは家庭に浸透しており、子供たちは生活環境の一部としてTVを受け入れています。
物心がつき、言葉を理解するようになった段階で、彼らがTVから流れ出るアニメの虜になるのは自然な事です。しかしそれに反して、「まんが」作品を読むためには絶対に「文字」が読めなくてはなりません。
最近は幼児教育が盛んですので、幼稚園に入る前から文字の読める子供たちが大勢いると聞いていますが、少なくとも小学生に入るぐらいの年齢にならなければ、「まんが」を作品として読むことは難しいと思われます。
こうなると、同時に「まんが」と「TVアニメ」が存在していても、TVの方が主体になるのは明らかです。
最近ではあまり見かけませんが、TVが主体となった時には「まんが」好きにとって嫌な事が発生します。
そう、「ストーリーの創作」です。
私が幼少を過ごした頃にやっていた「TVアニメ」などは、はなから原作の内容は置いといて、あくまで「TVアニメ版」の作品に仕立て上げる事も多々ありましたので、後年「TVアニメ」でやっていた物の原作「まんが」を読んでその内容のあまりの違いに愕然とする事も多くありました。
当時の社会情勢を考えると子供に対して暴力的な表現等を見せる事に自制の念が放送局側にも多分に有ったようで、それらの影響も無視できませが、基本的に「まんが」はあくまで原作であり、「TVアニメ」としての作品作りを考え、当時の子供たちに判りやすい作品を作られていたようにも思えます。
これらの良識のおかげで、「TVアニメ」は世のPTAの批判をかわしつつ成長できたわけで、私なども「TVアニメ」と共に楽しい青春を過ごす事が出来たわけです。(「デビ○マン」なんか原作のままアニメ化してたら当時なら絶対に放送打切りになってると思うし・・・)
ですが、最近はこのような手法はあまり見かけなくなりました。大抵「まんが」原作を殆ど忠実にそのままアニメ化することが主流となっていますし、TV化するにしても、ある程度原作作品が進行して、元になるストーリーが貯まってからTV化するような配慮が行われているようです。TV局側も十分なストーリーの貯めが無いままアニメ化し原作ストーリーが底をついて苦肉のストーリー創造をするハメを何度も経験し、そうなる場合の危険性を十分に認識するようになったからだと思います。(一旦火のついたヒット番組を途中で止めたり中断するのはやっぱ厳しいでしょうし・・・。「ドラ○ンボ○ル」の苦闘等は記憶に新しいですね。)
このような配慮が行われる様になったのは、ここ数十年での「まんが」文化の成長が認めらて、原作「まんが」のオリジナリティーに対する認知度が向上した為だと思われます。
それまでは、やはり「まんが」は文化として低位置に置かれていましたので、「TV放送するなら原作内容をいじってもいいだろう」と言うような意識だったのでしょう。
ところが、あまりに無茶な内容をつくると最近の視聴者はだまっていません(^^)
でたらめなストーリーで作品を壊されると思う沢山の「まんが」ファンが声を出し始めたのです。この事が原作「まんが」を尊重する風潮の元になったのだと思います。
私も、一「まんが」ファンとして、「まんが」原作の作品世界を忠実に守ってTVアニメ化して欲しいと常々思っている口ですので、最近の風潮は一応歓迎するべき所でしょう。
まだまだ続くぞ・・・・アニメ化賛否両論!!
と言う訳で、最近の「まんが」原作→「アニメ化」にはある程度原作のオリジナリティーの尊重が配慮されるようになりました。
ですが、しかし、本コーナーをご覧になれれるような「まんが」好きな皆さんにとって、本当に「アニメ化」は祝アニメ化と諸手を上げて喜べる物でしょうか?
確かに、自分のお気に入りの作家さんや作品が「アニメ化」されると嬉しいですし、そうなった場合はまるで布教活動家の如く友人知人に宣伝活動をしてしまいますが、その分、不安を感じる事も多くありませんか?
さて、お話は突然変るのですが、「まんが」が文化として認知されるようになってからよく言われる議論で、「想像性の阻害」という事があります。
小説等の文化に比べ、「まんが」文化では、絵柄でストーリー展開される為、情景や人物等を思い浮かべながら作品を堪能する能力を阻害するという物です。
確かに一理有るかとは思います。
ですから、「まんが」以上に強力なメディアである「TV」で「まんが原作」を「アニメ化」することは、上記と同じ危険性を孕みます。
確かに「まんが」は小説等のメディアに比べれば想像をしない部分は多々存在しますがTVに比べればまだまだ、想像を膨らませる部分は多分にあります。
キャラクターの声、風景の色彩、等など、これらは、読み手の我々個人個人にそれぞれ独自の世界観を築かせる自由度として、結構重要な要素だと私は考えます。皆さんもアニメを見てて経験あるでしょ?「うげっ。この声は・・・・」と言う場面が・・・。
まあ、最終的には慣れの問題があるため、見ているうちにそのイメージで「まんが」を見るようになるので、特に問題では無い様にも思えるのですが、その分、イメージの膨らみが一定方行に傾く事は間違いないと思います。
さあ、やっと本筋に話が戻って来ましたね。私が感じる不安とはこの様な事なのです。作者の方々がどの様な意図・意思を込めて作品を描いているかを我々読者が全て受け取る事が出来ないメディア(情報量を多くして伝達精度を上げることは可能でしょうが、現行の「まんが」文化に収まるカテゴリーでは無くなると思います)というのが、「まんが」文化だと思うのです。
よく作者の方々の後書きなどに”意図した事と違うように解釈されている”と嘆かれている事を散見するのですが、この事自体が「まんが」文化の真髄であろうと思います。でないと、「同人系」のように読者が勝手にストーリーを含ませる楽しみもなくなりますしね。

私はこういうアニメが見たいんだ!!
で、結局何が言いたいのかと言いますとですね。
TVアニメはオリジナル原作でやってくれ!
って事なんですわ。(^^)
「まんが」原作の「アニメ化」って言う手法自体は特に悪いことは無いとは思いますが、一つのメディアとして確立した作品をわざわざ別個のメディアまで引っ張る事はないんでないかい?
アニメはアニメで自身のオリジナル原作で自立し、まんがはまんがで自身のメディアの創造性の開発に注意する。こうしないで、今のような凭れ合いの構造を続けると両メディアの活性化が無くなり、両メディア共沈んで行くように思えるのは私だけでしょうか?

足枷:
手塚さんはアニメ化は自分のであったため、実際のTVアニメ製作の費用は度外視して製作されたそうです。
当時TV局から支払われる制作費はとても安く、製作に不足する分の費用は手塚さんがまんがの出版で得たお金をつぎ込んでおられたそうです。
彼の執念を感じさせますが、そのことが反対にTV局側から、
”手塚さんがこの金額でアニメを作ってるんだから、他の所もこれぐらいで作れ”
というような要請が強くなる原因となり、他のアニメプロダクションがあおりを食ったそうです。

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声優さんについて:
古い話で恐縮ですがうる星やつらのラムちゃん役平野文さんなども、
放映開始時点では、結構反発も有りました。
現時点では、ラムちゃんの声は彼女の声以外は想像できなくなっていますが・・・。
えっ?平野文さんをご存知無い?ウーンこれは困ったどう説明いたしましょう・・・。
最近声が聞けると言えば黒ネコヤマトの宅急便コマーシャルの
牝ネコ役と言いたいところですが、このCMも最近は見かけんし・・・。
ちなみに、ヤマトのCMで相手の雄ネコ役は古川登志夫さんで、
彼はうる星やつらの主人公 諸星あたる役でした。
これらの組合せがわからない人にはあのCMは笑えないよね・・・

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