更新 :2005/04/17 13:15
かねやん企画
本棚の片隅
まんが談義


17

風子のいる店 第16回へ 第18回へ

作品名 風子のいる店
作者 岩明均
原作者 ------
総巻数 4巻
掲載誌 モーニング
出版社 講談社
第1巻
初版日
1986/12/17
評価 画質 ☆☆★★★
ストーリー ☆☆☆★★
キャラクター ☆☆★★★
オリジナリティー ☆☆★★★

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「かねやん」のーと

現在は少し活動を抑えておられますが「アフタヌーン」誌上で「寄生獣」を発表し、一時期は雑誌そのものの屋台骨となった"岩明均"さん。
上記の作品は、人間の頭に寄生し人体を操る未知の強力な生命体と、人間の脳を残したまま寄生生物と共存する少年のドラマを見事に描かれました。人体に寄生する未知の生命体などと言う荒唐無稽な設定にもかかわらず、読んだ人は必ず作品に引き込まれてしまう秀作でした。
そんな氏のデビュー間もない作品が今回ご紹介する「風子のいる店」。

「寄生獣」や「剣の舞」などでは緊迫した"殺陣"シーンなどが目を引きますが、この「風子・・・」ではそんなものは殆ど登場しない、日常風景を描いておられます。
氏の基本的な作風としては、日常におけるストーリーを重視されているようですし、「風子・・・」はそのテーマ性がはっきりしている作品ではあります。

物語は、内気な高校生の少女が性格の改善を図ろうと喫茶店でアルバイトを始める事から始まります。
店に来る客や高校生活を送る中での友人関係など、思春期の少女の成長が淡々としたテンポで描かれます。
現在の漫画の主流の絵柄ではなく、作品の内容もそれほど刺激的な作品ではないので、最近のマンガ世代の人たちには物足りない部分も多々あるかとは思いますが、その分、私などには人間関係にリアリティーがあり、作品の奥行きを感じさせます。

ただ、残念な事にこの作品、すでに廃刊になっていて新刊は入手できません。
「寄生獣」のブレイク前でもあり、広く知られていなかったこともあるのでしょう。古本屋などでも殆ど見かける事が無いため、見つけるのは非常に困難であるとも思えます。
30代の"岩明"ファンの方にはぜひ一読頂きたい作品なんですけどね・・・。



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